名古屋工業大学 大囿研究室
Ozono Laboratory, Nagoya Institute of Technology

AI for Education



メンバー

赫 弈天

概要

 表情認識分野において,認識精度とプライバシー保護は重要な研究課題です.近年,深層学習モデルの性能向上に伴い,高精度を維持しつつ個人識別情報への依存を低減することが求められています.一方で,顔画像を用いたモデルは学習過程において顔構造などの個人特有の特徴を捉えやすく,汎化性能への影響やプライバシー侵害の懸念が指摘されています.また、教育領域にゼミやグループディスカッションにおける学生の参加度を定量的に評価することは,学習状況の把握や教育改善において重要です.しかしながら,顔画像ベースの手法はプライバシーリスクが高く,実運用への導入が困難であるという課題があります.そのため,個人識別情報に依存しない形での感情・参加度推定手法の確立が求められています. 

 既存研究では,畳み込みニューラルネットワーク(CNN)による画像特徴に代えて,表情動作単位(Action Units,AU)や頭部姿勢などの動作情報を用いることで,個人識別情報への依存を低減できる可能性が示されています.一方で,AU特徴であっても個人識別に寄与する情報を含む可能性があることも報告されています. 

 そこで本研究では,ゼミ参加学生の参加度認識を目的とし,AUおよび関連する動作特徴を入力としたTransformerモデルのファインチューニングを行うとともに,対抗学習やUnlearningなどの手法を導入することで,認識精度とプライバシー保護の両立を目指します.これまでに,AU特徴が表情認識に十分な情報を持つことを実験的に確認しています.今後はシステムの構築と比較実験を通じて,精度と個人識別抑制のトレードオフを評価する予定です.